森田健介さんは、美術系の中堅大学に在籍しながら、SNSで漫画を発表し、一躍人気作家となりました。その成功の裏には、出版社への持ち込みで断られ続けた挫折や、自身の作風に悩んだ時期を乗り越えた努力があります。
Q:漫画を描き始めたきっかけは?
A:小学生の頃から漫画が大好きで、暇さえあれば漫画を読んでいました。最初は好きなキャラクターの模写から始まり、次第に自分でオリジナルのキャラクターやストーリーを考えるようになりました。将来は有名な漫画家になるのが夢で、高校時代も漫画研究部に所属し、創作活動に打ち込んでいました。しかし、漫画専門の大学には進学できず、美術系の大学に進むことになりました。
Q:大学での創作活動はどのようなものでしたか?
A:大学では主に美術の基礎を学びましたが、自分の本当の情熱は漫画にありました。授業の合間や放課後に漫画を描き続け、同人誌を制作してイベントに参加することもありました。しかし、周囲には純粋な美術を志す学生が多く、漫画に対する理解があまり得られず、孤独を感じることもありました。
Q:最初の挫折は何でしたか?
A:大学2年生のときに、自分の作品を出版社に持ち込みました。しかし、「個性が足りない」「市場性がない」と何度も断られました。その度に自信を失い、自分には才能がないのではないかと深く悩みました。特に、自分が一番力を入れた作品が全く評価されなかったときは、本当に辛かったです。
Q:それをどうやって乗り越えたのですか?
A:一度は漫画を描くことをやめようかと思いましたが、友人から「せっかく描いた作品を誰かに見てもらったら?」と言われ、SNSで発表してみることにしました。最初は反応がほとんどなく、やはりダメなのかと落ち込みました。しかし、ある日、日常の何気ないエピソードを描いた短編漫画が思いがけずバズり、一気にフォロワーが増えました。読者からの温かいコメントや共感の声に触れ、自分の作品が誰かの心に届いていることを実感し、大きな励みになりました。
Q:SNSでの活動を続ける中で、どのように成長していきましたか?
A:読者の反応を直接感じることで、自分の作風やストーリー展開について多くの学びがありました。特に、読者が共感するテーマやキャラクターの描き方について深く考えるようになりました。また、コメントやメッセージを通じて読者とのコミュニケーションを大切にし、その声を作品に反映させることで、より多くの人に楽しんでもらえるようになりました。
Q:出版化までの道のりは?
A:SNSでの人気が高まる中、ある出版社の編集者から連絡をいただきました。最初は信じられませんでしたが、実際に会って話を進めるうちに、具体的な出版の話になりました。それまでに何度も出版社に断られてきたので、不安もありましたが、今回は自分の作品をしっかり評価してくれる編集者との出会いがありました。書籍化に向けて作品をブラッシュアップし、ついに単行本として出版されました。発売後、売れ行きは好調で、シリーズ累計で50万部を突破し、アニメ化の企画も進んでいます。
Q:成功の要因は何だと思いますか?
A:やはり、読者の反応を直接感じられるSNSを活用したことが大きかったです。従来の出版社の視点だけでなく、実際に作品を読む読者の声を参考にすることで、自分の作風を磨いていくことができました。また、挫折を経験したことで、自分の弱点や改善点を客観的に見ることができたのも良かったと思います。
Q:現在の活動状況は?
A:引き続きSNSで新作を発表しながら、連載漫画の執筆も行っています。アニメ化の企画も進行中で、キャラクターデザインやシナリオにも積極的に関わっています。また、イベントやサイン会などで読者と直接交流する機会も増え、とても充実した日々を送っています。
Q:同じ道を目指す人へのメッセージは?
A:諦めずに自分の作品を発信し続けてください。どこかで必ず自分の作品を必要としてくれる人がいます。挫折や失敗は成長のチャンスです。自分の情熱を信じて、一歩ずつ前進していけば、必ず道は開けます。私も最初は小さな一歩から始めましたが、その積み重ねが今の自分につながっています。
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